矯正治療は,まず小児期・成長期に行う治療と,すべて永久歯にはえかわった後に行う治療で大きくわけられます.小児期・成長期に行う矯正治療では,出っ歯や受け口がひどくならないよう上あごと下あごの関係がよくなるように骨格を誘導したり,永久歯のはえるスペースを確保したりと永久歯がはえそろうまでいろいろな方法でアプローチしていきます(この時点で終了・経過観察する場合もあります).

その後,永久歯にブラケットとよばれる装置やワイヤーを使用し詳細な部分まで歯並び,かみ合わせを整えていきます.永久歯のはえそろっている場合の矯正では,骨格の問題などなければさっそくブラケットとワイヤーを装着し矯正をはじめていきますが,歯をならべるもしくはひっこめるスペースがない場合,主に小臼歯という歯を抜歯させていただくこともあります.レントゲンや歯の模型で計測し判断します.ブラケットとワイヤーを用いる全顎的な治療は,矯正専門医が対応させていただきます.

ワイヤー矯正治療中

ワイヤー矯正治療後



アライナーとよばれる透明なマウスピースで矯正することも可能です.矯正していることを他人から気づかれにくく,歯ブラシもマウスピースをはずしてしっかり行えます.当院ではインビザライン(invisalign.co.jpおよびGIKOアライナー(gikoaligner.com)を導入しております.症例によって患者さんにとって最適(矯正期間・費用など)な方を説明,お勧めさせていただいています.ただし,症例によっては不適応な場合もありますのでご相談ください.

インビザラインアライナー装着時

主訴:開口

正中の不一致,上顎側切歯の傾斜など改善余地がありますが,概ね主訴が改善され患者様希望により終了



矯正治療のリスクとして,歯の移動に伴う痛み,むし歯,歯肉炎,歯根吸収,歯肉退縮,予定していた治療期間の延長などがあります.治療後には後戻りを防ぐために保定装置の装着が必須です.